農薬散布用のドローンが普及するなど、ドローンの民間利用は早かった日本ですが、ドローンの開発面においては海外に遅れを取っていたのは否めません。しかし、もともと精密機械やロボット技術は日本の得意とするところ。現在では日本で誕生した最新のドローンが世界中から注目を浴びているのです。
東京大学の研究室から誕生した自律飛行型ドローンPhenoxは、登載されたカメラの情報から周囲の状況を認識して自律飛行します。世界で初めて、オンボードで自律飛行をするドローンとして発表と同時に話題になったPhenoxですが、現在はさらに進化を遂げたPhenox2が登場しており、通信もBluetoothからWi-Fiになって通信速度も上がり、動画配信も可能になりました。人間の声も認識するため、声による離発着などの操作もできます。Linuxを登載しており、ある程度自由なプログラミングができるのも魅力でしょう。2015年現在、量産化に向けてクラウドファウンディングを募っており、世界中から注目を集めているドローンのひとつです。
空撮ではなく、ドローンの操縦そのものを楽しみたいという人に人気が高いのが、日本遠隔制御株式会社から発売されているNINJAです。非常に滑らかな飛行が特徴で、NINJAという名に誰もが納得するのではないでしょうか。まるでF-1カーを思わせるような美しいボディラインも魅力です。ポリカーボネート製のオプションクリアボディを購入すれば、オリジナルペイントを楽しむことができ、世界でひとつ、自分だけのドローンを楽しむことができます。アフターサービスが充実していて、ドローンにトラブルがあってもすぐに対応してもらえることも、国産ならではのメリットかもしれません。
国内での量産化が話題になったのは、自律制御システム研究所が開発したドローンです。本体価格200万円~300万円と高価なドローンになりますが、30分程度の連続操縦が、しかも自動操縦で行えることや、90cmと比較的小型であるにもかかわらず、6キロの荷物が運べることなどから、趣味として飛ばすというよりは、原発事故の周辺など、人が入って行くことが困難な場所での作業なども期待されています。趣味以上の分野での需要が見込まれており、作業ロボットとしてのドローンの本格的な活躍が見られそうです。
安定した飛行と、スペックの高さを兼ね備えた大型機でありながら、本体を折りたためるようにすることで機動性もプラスしたのが株式会社エンルートのZionFX940。本体から伸びた6本のアームの先にプロペラが付いており、GPSを使って指定した場所で定点ホバリングを行ったり、自動帰還を行う機能も搭載。格納時はアームを折りたためるので移動しやすく、移動中の損傷のリスクも軽減しています。この会社からは、これ以外にもさまざまなタイプのドローンが発売されており、大きさや機能によって選択肢も豊富です。