軍事利用のリスク


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軍事利用のリスク

軍事目的でのスタート

軍事目的でのスタート もともと、ドローンの開発は軍事目的で行われていたものです。その歴史は古く、第二次世界大戦前から外国では研究開発が行われていました。結局実用化にこぎつけたのは第二次世界大戦が終了後になりますが、アフガニスタン戦争やイラク戦争では実際に爆撃に使用されています。現在でも.軍事目的による開発は各国で行われています。画像やセンサー技術の進歩によって爆撃だけでなく偵察目的でも使われることが多くなり、国境警備などに利用している国もあるのです。軍事目的で利用するドローンは、爆弾など登載するものの重量が重いことや、高度なセンサーを利用していることから、私たちがイメージしやすいクアッドコプターのような形状ではなく、どちらかというと飛行機型のほうが多くなります。これは、スピードや飛行距離、燃料などの関係で、その方が効率的に飛行することができるからです。とはいえ、小型飛行機並みの大きさで飛行するドローンを、法律上航空機として扱うかどうかなど、その対応に頭を悩ませている国も少なくありません。

軍事利用するメリット

ドローンを軍事利用するメリットは、何といっても人命を危険にさらすことなく敵地の偵察や爆撃ができるということにあります。もちろん、開発にも製作にも巨額の費用が掛かっているドローンを撃墜されるのはどの国にとっても痛手ですが、人命が失われた場合の補償や世論を考えると、そのメリットは計り知れません。また、あってはならないことですが、細菌兵器や生物兵器などを噴霧する場合にも、パイロットの健康を損なうリスクなく行うことができるなど、軍事的にはかなり活用範囲が広くなっています


軍事利用する際の問題点

メリットが多いように思われるドローンの軍事利用ですが、そこには問題点もあり、警鐘を鳴らす人も少なくありません。その一つに、爆撃の精度の低さがあります。交戦中とはいっても、敵地の爆撃で許されるのは軍事施設やそれに準ずる施設になりますし、攻撃してよいのは軍人ですが、モニター越しに判断するせいか民間人への誤射を行うケースが相次いでおり、その制度の低さが問題視されているのです。また、本格的にドローンを軍事導入しているアメリカの場合、ドローンの操縦は民間のオペレーターが行い、爆撃のみを軍人が行うケースが多いのですが、いずれにしても画面越しでのオペレーションになるため、人を攻撃したという実感を持ちにくいという問題点もあります。リアルに人を殺すことで心理的にストレスを感じ、鬱を発症する、というのと逆で、実際は攻撃しているのにもかかわらず、まるでゲーム画面での攻撃のような感覚に陥ってしまうのです。また、実際に殺傷行為を行いながらも、自身は自国内の安全な場所で生活しているため、軍事行動を行っていうる時と日常生活のギャップを日々感じることになりそれがストレスになることもあります。さらに、ドローンの活躍の場が増えている一方で、ドローンを操縦するオペレーターの育成が追い付いていない国が多く、その育成も問題になっています。